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- よくある質問
当院によく寄せられる質問です。その他ご不明な点がございましたら、お気軽に医院までお問い合わせください。
鼻からの内視鏡(経鼻内視鏡)って痛くないですか?
当院では経鼻内視鏡検査を導入して20年以上経過しました。現在当院での内視鏡検査はほとんど経鼻内視鏡で行っています。今までの内視鏡にくらべて苦痛が少ない検査なので、内視鏡が初めての方にもおすすめです。
また、「鼻が痛い、鼻出血がでやすい」という理由で経鼻内視鏡を経口内視鏡で行うケースがありますが、従来の経口内視鏡よりこちらも苦痛が少なく検査を受けていただけます。
経鼻内視鏡は耳鼻咽喉科疾患や出血傾向のある方、肝硬変などの方で受けられない方がいます。検査目的がポリープ切除や癌の術前検査の時は従来の経口内視鏡を行います。
一人一人の鼻孔の状態、咽頭反射の強さを考慮しながら検査目的に合わせて内視鏡の種類と検査方法(簡易麻酔を含む)や挿入経路を決めています。検査をお考えの方はお気軽にご相談ください。
漢方薬について教えてください!
漢方と西洋療法の統合医療は全国的に認知されつつあります。それは従来の西洋療法だけでは改善しない疾患が増えてきたからです。地球環境の変化(異常気候や温暖化。)や社会環境の変化(ストレス社会、不寛容社会)によって自律神経失調症や慢性疲労症候群、不明熱、適応障害が増えてきました。これらに漢方療法を併用することで改善されることが広く認められつつあります。私は漢方を習得し現在も勉強会に参加して最近は教える立場にもなってきましたが、漢方で改善し、元気になる患者さんを診察すると改めて漢方の力に驚きます。漢方の科学的分析は大学でのトピック的研究分野です。大建中湯や六君子湯などは欧米でも認められるようになりました。漢方薬は科学的根拠を示す医学的統計が研究しにくい点がありますが、生薬の作用を科学的に証明した論文は多くなってきました。
漢方の副作用ってあるんですか?
患者さんがご自身で購入したり、友人から勧められて貰った漢方薬を飲んでいると伝えられて驚くことがあります。きちんと証を取ると(漢方的診察方法のことです)、ほとんど状態に合っていないことがあります。漢方薬は副作用がないと過信しているのかもしれません。また、じんわり効いて急に変にはならないと思っているのかもしれません。しかし、漢方にも副作用はあります。即効性の薬もあります。漢方薬は体に合っていると働きがすぐに現しますが、間違った使い方をすると体調がさらに悪くなることがあります。きちんと診察して漢方薬を処方しても、アレルギーを含め副作用がないわけではありません。薬剤は西洋薬も漢方薬も副作用のリスクはあるのです。
きちんと漢方を学んだ医師の診断のもとに服薬することが大事だと思います。長期に服薬する場合は定期的な血液検査も診察も必要です。同じ患者さんの同じ病気でも経過によっては漢方薬を変えることもあるのです。漢方療法が認知されることは喜ばしいのですが、漢方内科の受診をお勧めします。
痔の場合でも「大腸内視鏡」をした方が良いのですか?
「肛門から出血=痔」と考える患者さんは少なくありません。
しかし、痔だと思っていたら実は直腸癌や肛門の癌、大腸ポリープや潰瘍性大腸炎(指定難病)だったという患者さんはおられます。大学時代の診療では消化器専門ではない開業医で、長年痔の治療を受けていた方が、直腸癌で人工肛門になってしまったこともございました。
そのため、肛門診察がとても大切です。40歳以上であれば一度は大腸内視鏡を受けた方がよいでしょう。肛門から出血があるときはご自分で判断せず、消化器専門医に相談して欲しいと思います。
大腸癌検診で「内視鏡検査」を行うと聞いたことがあるのですが?
大腸癌検診について、基本的に便の潜血反応を2回確認する検査です。ガンやポリープがあったとしても出血した部分に検査スティックが当たらなければ偽陰性(本当は病変があるのに陰性になってしまう)となります。日本消化器病学会のHPには、この偽陰性の確率は進行癌で約10~30%,早期癌で約50%というデータがあります。また、日本大腸肛門病学会のHPには、30~40%の方は悪性疾患がなくても潜血陽性(偽陽性)になると記載があります。その中には痔疾患や大腸ポリープ、腸炎が含まれており、癌以外の疾患の発見につながっています。ですから、大腸癌検診の便潜血検査はとても重要な検査です。しかし、検診で便潜血反応が陽性だった場合、再度便潜血反応を繰り返しても意味がありません。厚生労働省では、二次検診は大腸内視鏡検査を推奨しています。
大腸内視鏡検査は消化器内視鏡専門医であれば痛みの少ない、つらさが少なく検査を行えます。
また当院では、さらに検査を楽に受けていただけるよう、検査後もゆっくりと休んでいただけるよう、日々考え、改良点を模索しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
風邪なんですが注射や点滴で治りますか?
根本的に本当に風邪かどうか、診断した上でのお話ですが、風邪はウイルス感染が原因ですので、基本的に注射では治りません。以前は風邪の患者さんに解熱鎮痛薬やビタミン剤の注射をしていた時代があります。しかし、最近ではむしろ気分不快やアナフィラキシーなど重篤な副反応の危険性の理由から、行わなくなりました。
むしろどんな疾患にせよ、体力消耗し、発熱や消化器症状から経口摂取が不十分で、脱水など引き起こしている場合は点滴での脱水補正をおこなっています。
ちなみに、患者さんの中に、注射の方が内服薬よりも薬が効くと思っている方が多いように思います。点滴、筋肉注射、皮下注射、経口内服は体内に入る経路が異なることで、薬物の吸収時間、ひいては発現時間と作用持続時間、副反応の出現頻度と程度が異なるだけです。
むしろ感冒などでは長くじっくりと作用する内服の方が結果的に楽になると考えてもらうと良いでしょう。
ピロリ菌を除菌したら、胃癌にはならない?
ピロリ菌を除菌した後に胃癌になることもあります。
2014年9月に世界保健機構(WHO)の専門組織(ARC)から、胃癌の8割がピロリ菌による胃炎が原因で、除菌によりその30~40%で胃癌の発生が減らせるとの報告がありました。つまり、癌の発生をなくすことはできません。その上、最近の研究では除菌後に発症した癌は除菌で改善した正常の組織(粘膜)が覆い被さり、癌を見つけにくくなることが解ってきました。ですから除菌後の胃癌発見には充分気をつけた内視鏡観察が必要とされています。また、ピロリ菌除菌療法を受けた方が発癌する期間は5年以内に多いとされてきましたが、最近では除菌後10年でも胃癌が発見されるようになりました。
一方、ピロリ菌がそもそも感染していない人の胃癌(非ピロリ感染胃癌)も最近のトピックです。
「ピロリ菌がいないから胃癌にならない」という事はないのです。
とにかく、胃腸専門科での年1回の胃カメラが癌リスクを減らす方法と思われます。
大規模施設での人間ドックや検診で大人数を内視鏡検査するとき、一人ひとりがどれ程丁寧、かつ詳細な検査を受けられるのかよく考えましょう。